医療ファクタリングとは、医療機関の社会保険診療基金や国民健康保険への診療報酬をファクタリング会社が買い取って、早期に現金化する資金調達法のことです。これには3つの種類があります。1つ目は「診療報酬債権」とよばれるもので、契約者が病院もしくは診療所である場合に適用されます。2つ目は「介護報酬債権」といい、契約者が介護施設である場合に適用されます。
3つ目は「調剤報酬債権」とよばれ、契約者が調剤薬局である場合に適用されます。この方法にはメリットもあればデメリットもあります。メリットを挙げると、まず取引先が国家であるために倒産の心配がないということです。また、取引先が社保や国保であるため、診療報酬債権の回収がほぼ確実なので審査がゆるい傾向にあるということです。
そして、最大2カ月分の診療報酬債権で資金調達ができるということも大きなメリットです。つまり、新しい機器の購入や、病院の建て替えや改築などでまとまった資金が必要な場合に利用できるということです。逆にデメリットを挙げると、手数料が高額だということです。この方法は、原則3社間でやりとりする方法ではありますが、診療報酬債権はほぼ確実に支払われます。
なので、実質的には医療機関とファクタリング会社との2社間でのやりとりになるため、その手数料がおおよそ20%と割高になるのです。このように、医療ファクタリングにはメリットもデメリットも存在するということを覚えておくとよいでしょう。