医療機関のファクタリングの特徴

ファクタリングのように、売掛債権を流動化して現金化を早めるというしくみについては、一般的な営利企業だけではなく、病院や診療所、あるいは介護事業所、調剤薬局、障害福祉サービス事業者などといった、医療や介護にたずさわる現場でも、十分に活用することが可能です。特に、こうした医療系の債権の場合には、営利企業が持っている債権などとは違って、倒産によって回収できなくなってしまうといったことがまずありませんので、ファクタリング会社にしてみても、複雑な審査をしないでもその優位性が判断できる、数少ない優良債権であるということができます。ただし、一般の営利企業がこのしくみを用いる場合には、取引先の企業に対する売掛債権ということになりますが、医療機関などが持っている債権というのは、直接的に患者やサービスの利用者本人に対してのものではないという違いがあります。通常の場合、医療機関などが診療報酬や介護給付費などの請求をするのは、社会保険診療報酬支払基金や国民健康保険団体連合会といったところに対してであり、同時にレセプトなどの明細を提出することになります。

したがって、医療関係の債権をファクタリング会社に譲渡した場合であっても、その会社は最終的に患者などから支払いを受けるということではなく、あくまでも社会保険診療報酬支払基金や国民健康保険団体連合会からということになります。そのため、社会保険診療報酬支払基金や国民健康保険団体連合会に対して、債権譲渡の通知をしておく手続きをとるのが一般的です。

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